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特撮

2014年7月17日 (木)

一ノ谷博士が独断解説 ウルトラマン 射つな!アラシ

7月17日といえば知っている人は知っている1966年(昭和41年)、ウルトラマンがTBSで初めて放映された日である。

というわけでずいぶん久しぶりな気がするがウルトラマンの記事を書く。
この番組が放映されたときには御大円谷英二氏がご存命だったので監修者として名前が出ている。
1970年に亡くなられているがもっと長生きしてほしかった。

というような話はおいといて、今回は「射つな!アラシ」である。

物語が始まってすぐに気がつくのが科学特捜隊が使っている車は外車らしいということである。
アラシ隊員が運転しており、左ハンドルである。
車は新しく建築されたらしい児童会館の前で止まる。
中にはいり、エレベーターで上層階に上っていくととても建物の中とは思えないような場所に出る。
そこには公園があり、上を見ると青空がある。

青々とした空を見上げているとそこに突然ひびが入り、そのすきまから強い閃光が放たれる。
6000万カンデラだそうである。
カンデラとは光度の単位であるが定義はなかなか難しい。
100Wの電球が130カンデラで、太陽は3.4×10の27乗だそうである。
よくわからんが車のヘッドライトは220,000カンデラ以下と決まっているらしい。
したがって6000万カンデラならウルトラマンといえども一時的な失明状態にするには十分であろう。

空にひびが入り始めたときは空が落ちてくるのかと思ったが杞憂だった。

怪獣の登場である。
いきなり現れて自己紹介もせず暴れ出す失礼なやつである。
単発の雑魚なんだろうと思ったがその後のウルトラマンシリーズにも登場しているらしい。
この怪獣は登場したその時にはただ怪獣と呼ばれていたのだが科学特捜隊の参謀らしき人が現れて「ザラガス」と呼び、以後その名前で呼ばれるようになる。
残念ながらなぜそのような呼び名になったかはわからない。
番組を見た限りではわからない。
同じ怪獣でも大物になると姿を現す前から名前だけはわかっているという場合も多い。
ゴジラしかり、キングギドラしかりである。
ゴジラは誰もその存在を知らなかったときに大戸島の古老の話として紹介される。
キングギドラは金星人が日本各地でその脅威を教えて回る。

さてこのザラガスであるが攻撃を受けるたびに抵抗力を強め変身していく。
そのために科学特捜隊は攻撃をしてはならないという命令を受ける。
このあたりでタイトルの「射つな!アラシ」の意味がわかってくる。

アラシ隊員は葛藤に襲われるが結局命令を無視し、怪獣を攻撃する。
しかし、怪獣は倒れない。
最終的にはウルトラマンの活躍とそのピンチを救うアラシ隊員の一撃で怪獣は屠られる。

物語は、アラシ隊員が命令に服従する旨を定めた科特隊の規則を何度も声に出す場面で終わるのだがこれには少し疑問を感じる。
科学特捜隊には命令を守らない隊員がほかにもいる。
イデ隊員もそうだがなんといってもハヤタが一番だろう。
ハヤタはピンチの際にいつも姿を消している。
事情を知らない仲間たちは職場放棄だと感じているだろう。
当然ながら人事考課でも考慮されるだろうからハヤタの昇進は遅いだろう。

上司の命令を守ることももちろん大事だが、ときには自分の頭で考える訓練をしていないと怪獣が日常的に登場する非常識な世界に対応できないぞ。

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2013年7月 7日 (日)

一ノ谷博士が独断解説 ウルトラQ 南海の怒り

 太平洋のど真ん中で漁場に向かう日本の漁船が巨大なタコを思わせる怪物に襲われる。
そのあたりは漁師に死の海と呼ばれているらしい。

船長の息子、久保明はミクロネシアの島に打ち上げられ、島の娘に助けられる。
漁船が遭難する事件が頻発することに関心を持った日本の新聞社が万城目一行を派遣する。
島に到着したばかりで巨大なタコ(スダールという名前らしい)が島の娘の弟を襲う場面に遭遇する。
万城目淳が娘の弟を助けだす。
この場面はあっさりしている。
その後、スダールをやっつけるという展開になるのだがスダールは外敵の侵入からこの島を防衛する守り神である。
久保明は親の敵を討とうと考えて、娘に無理をいってスダールのすみかを聞き出そうとする。
つい先ほどまでは会話が成立していなかったはずだがあっという間に久保氏はミクロネシアの言葉をマスターしたらしい。
しかし、よく聞くと久保氏は日本語をしゃべっており、娘の方が日本語を理解したようだ。
たいしたものである。
スダールを攻撃するために万城目氏は飛行隊の派遣を要請する。
国連が派遣するという設定だがそんなに簡単なはずがない。
安直な設定だと思う。
ミクロネシアの島にはアメリカの領土も存在しており、当然アメリカの漁船もスダールの被害を受けているはずである。
初動がたまたま日本の新聞社だったとしてもアメリカが自分のところで解決する問題だと言い出すだろう。
まずアメリカが調査団を派遣し、結果次第で海兵隊が派遣されるはずだ。
話を戻す。
スダールは航空機の爆雷をものともせず、島民を襲うが槍とライフルによって殺される。
やっぱり、爆雷のダメージが大きかったんだろう。
このときの活躍が認められ久保氏にはハッピーエンドが訪れる。
久保氏はこの3年ほど前に同じような南の島で、マタンゴになった経験があるはずだが今回はそれほどひどい目に遭わなかったことはご同慶の至りである。
さて、ウルトラQシリーズは今回で終了である。
次から、しばらくは東宝映画特撮シリーズをやろうと思う。

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2013年6月29日 (土)

一ノ谷博士が独断解説 ウルトラQ 五郎とゴロー

 富士山が望める場所に海上ロープウエィがある。
いつもと変わらぬのどかな一日だったはずだが突然、前方に巨大な猿が現れた。

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ナレーションでは甲状腺ホルモンのバランスが崩れると人は異常な発達を示すことがあるというがそれにしてもこれはどうだろうか。

物語の舞台は野猿観察研究所である。
ここにしばらくぶりでふたりの研究者が訪れる。
仕事を始めようとして部屋の中が荒らされているのに気がつく。
留守番をしていたのは若い男である。
彼は人と会話をするのがうまくないようだ。
研究員のひとりは部屋が猿に荒らされたことを怒って「山猿が」という発言をするが野猿の研究員の発言とは思えない。
若者は五郎という名で猿はゴローという名前らしい。
ゴローはあくまでも変わった食べ物を摂取したことによって巨大化したニホンザルのはずなのだがまるで昔見た映画のキングコングのような振る舞いをする。
不思議だ。
五郎はゴローの食糧を確保するために盗みをはたらいて逮捕される。
ゴローはいなくなった五郎を探してまちに降りる。
至って自然な成り行きである。
しかし、猿のそのような行動が許容されるはずがない。
五郎は釈放され、ゴローに眠り薬の入ったミルクを飲ませる。
もちろん、五郎はそのことを知らない。
ゴローは眠ったまま南方の島に送られる。
だまし討ちのような形でゴローと別れさせられることになった五郎の嘆きは深い。

ウルトラQが単純なハッピーエンドで終わるお話しではないことは今の私はよくわかっているのだが、この物語の終わり方を見た小学生の時の私はどう思っただろうか。
残念ながら記憶していない。

この物語を見た後に、アメリカ映画のキングコングやキングコング対ゴジラに出てきた怪獣と比べてみたがだいぶ様子が違うことは確認できた。

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2013年3月17日 (日)

一ノ谷博士が独断解説 ウルトラQ 海底原人ラゴン

 物語は海底火山の爆発シーンから始まった。
海底火山が噴火した場所の近くには小さな島がある。
その島の漁師の大半がが出漁をやめている中、出漁した漁師が奇妙なものを持ち帰った。

このシーンに出ている若い漁師の一人は黒沢年男である。
最初見たときには気がつかなかった。
漁師が持ち帰った奇妙なものの正体を島に住んでいる科学者が調べることになった。
この科学者は地殻変動によって日本が海に沈むことを予言している。
田所博士のような人だ。
その後、黒沢年男扮する漁師は海からあがってきた何者かに襲われしまう。
同じ頃、科学者は奇妙なものはラゴンのたまごだと推測する。
図鑑にラゴンの卵とラゴンの姿が載っていた。
つまり過去にも誰かがラゴンの姿と卵を見たことがあるということだ。
科学者の推測が正しかったことはラゴンの成獣が島で暴れはじめるので住民に知れ渡る。
科学者は海底深くに生息しているラゴンの卵が浅い場所で発見されたのは地殻変動が起きているのが原因だと結論した。
島には地震が頻発しはじめる。
ラゴンの卵はふ化した。
その姿を見た科学者の妹がラゴンが子どもを捜しに現れたということに気がつきラゴンに返す。
ラゴンは子どもを抱いて海に帰っていく。
その後、科学者の予言に従った島の住民は一人の犠牲も出さずに脱出する。
島は崩壊し海に沈んでいった。
「いつの日にか日本も海に沈む日が来るかもしれないのです」という石坂浩二のナレーションで物語は終わる。
ラゴンは卵が広い海の中でどこにあるのかよくわかっていたようでその能力はたいしたものだ。
海底原人の世界では迷子などというものはないに違いない。

DVD ウルトラQ VOL.5には1/8計画、虹の卵、2020年の挑戦、海底原人ラゴンが収録されています。

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2013年3月10日 (日)

一ノ谷博士が独断解説 ウルトラQ 甘い蜜の恐怖

.

 「雷鳴のとどろく嵐の夜、一人の男がアンバランスゾーンに落ちた。」
物語の始まりに語られる石坂浩二氏のナレーションは見ている私をもアンバランスゾーンに引きずり込んでくれた。

嵐の夜から数日後だと思われるがセスナ操縦の訓練を行っていた星川航空の二人は貨物列車が山崩れによって脱線するところを目撃する。
場面は変わって農事試験場。
物語の始まり、嵐の夜の場面はこの場所だったらしい。
男が懐中電灯と金槌を持ち鍵を壊して、建物に入り込む。
中にはハニーゼリオンという特別な栄養剤で育てられた地蜂の幼虫がいた。
ハニーゼリオンには摂取した動物を巨大化させる副作用がある。
そのあと、試験場の近くの農地から巨大なモグラが出現する。
物語では名もなき巨大モグラだが一応モングラーという名前でよぶ。
怪獣図鑑ではその名前がついている。
ウルトラQでは東宝特撮のぬいぐるみを流用した怪獣が多かった中でこれはウルトラQのオリジナルである。
冒頭で貨物列車の脱線事故を引き起こしたのもモングラーのようだ。
男は農事試験場の研究員の一人で、ハニーゼリオンを開発した仲間に嫉妬して、事件を引き起こした。
確かに男は心のアンバランスを引き起こしたのに違いない。
それにしてもかわいそうなモングラー
戦車砲で攻撃され、ミサイルを浴び、地中に逃げるとマグマの通り道に入り込んでしまう。
気の毒というほかない。

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2013年2月23日 (土)

ウルトラQ 燃えろ栄光

 ジョーと呼ばれるボクサーの話である。
ジョーには工藤堅太郎氏が扮している。
ウルトラQらしくない物語だが一応、アリゲトータスという超深海生物なるものが登場している。
この生物はジョーからピーターという名前で呼ばれている。
このピーターは温度によってサイズが変わるという奇妙きてれつな体質を持っている。
一の谷博士がこの生物を同定したらしい。
私の目には両生類の一種にしか見えない。
深海に棲む生物が陸と水の中を常時生活の場とする両生類のはずがないので見間違えたのだろう。
ジョーはピーターの予言に従って対戦相手をノックアウトしていく。
しかし、世界チャンピオンとの試合が組まれた後に失踪してしまう。
物語を見ている私はジョーが臆病風に吹かれたのだろうと思った。物語の中にもピーターに次はおまえがノックアウトされる番だと予言されたとジョーが語るシーンがある。

物語を見ている限りではその後の展開が理解できないがピーターはジョーと縁を切り海に帰っていく。
その後、ラストシーンではジョーの明るい笑顔が見られる。
よくわからないが立ち直ろうとしているらしい。
ウルトラQのシリーズはそれぞれユニークだがこの物語もやはり解説しにくいストーリーである。
青春の蹉跌がテーマだという話だが子どもの時に見た私にはあまりよくわからなかったのではないだろうか。

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2012年11月21日 (水)

ウルトラQ 地底超特急西へ

 東海道新幹線が開通して1年を過ぎた頃、超特急という言葉が輝いていた頃のお話しである。

いなずま号は東京、大阪、北九州を時速450km、3時間で結ぶ超特急だ。
この超特急の試運転が行われる。
いなずま号がホームに入ってきた。
先頭にはピトー管らしきものがあるが航空機じゃあるまいし、こんなものが必要なはずはないと思ったのだが最後部のロケットエンジンらしきものが火を噴いて走り出したところを見ると航空機のようなものを想定しているらしい。
また、ホームに羽がはみ出している。
なかなか非常識である。
いなずま号にはマスコミを含めた招待客が乗り込んだようだがその身分を確認をしたシーンはない。
いくらのどかな時代といえども考えにくいことである。
そのために靴磨きの子どもをはじめとする本来乗車するはずのなかった人たちが騒ぎを引き起こす。
子どもが二人肩車して乗り込む。
二人羽織のようだ。
これはあまりに不自然だと思うが客室乗務員などの関係者は皆、見なかったことにしているようだ。
最後の乗客として、一平が本来、持ち込むはずのなかった人工生命が入ったジュラルミンケースを持ち込む。
この先に起きる悲劇が目に見える。
しばらくしてお約束通り、人工生命はゴリラのような姿に育ち、超特急の運転席を乗っ取る。
このために制御を失ったいなずま号は暴走を始める。
この後、乗務員の機転により、客車は切り離されて無事に停車するが靴磨きの子どもは人工生命と一緒に暴走する先頭車両に取り残される。
最終地点の北九州には車止めが用意されている。
これに減速せずに衝突した先頭車両は破壊されてしまうが子どもは鋼鉄でできた金庫に潜り込み宇宙に打ち上げられてしまう。
子どもは金庫を開いて、「極楽浄土には蓮の花がたくさんだと聞いていたが実際には星がいっぱいだ」と言う
このシュールな終わり方。
子どもにこの後どうなったのと聞かれたらなんと説明したらいいだろう。
このお話には先月亡くなられた石川進さんが超特急を管理する主任として出演されています。
ご冥福をお祈りします。

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2012年9月10日 (月)

海底軍艦

 海底軍艦 1963年公開 監督本多猪四郎

 
海底軍艦 轟天号は太平洋戦争末期に日本海軍が設計したものらしい。
この兵器が完成すれば戦局を一気に好転させることができると考えられていたようだ。
しかし、相変わらず、大艦巨砲主義から抜け出すことには成功していない。
いかに万能原子戦艦といわれても雨あられとやってくるだろう対艦ミサイルの前にはなすすべもないと思うのだがみもふたもないのでこの話はやめよう。

轟天号のサイズなどはウィキペディアによれば、全長150m、重量1万トン、空中速度マッハ2、水上速度80ノット、水中速度50ノット、地中速度時速20キロ、地上速度時速300キロということである。
地上速度というのは何だろう。轟天号が地上を走行しているシーンは映画には出てこない。
映像的にかっこいいとは思えないが一度みてみたいものである。
動力源は万能原子戦艦と言うぐらいだから原子力だと思うがそんな話題は映画にはでてこない。

武装 艦首ドリル、主砲 冷線砲(マイナス273度の光を放って、相手を凍結させてしまう兵器である。実に画期的な兵器だがどういう仕組みだろう)、副砲 3連装電子砲(よくわからんが電子ビームを放つらしい)、帯艦電撃(轟天号にからみついた怪獣マンダを退治するのに使われた)

さて映画の話である。
突如として地上への侵攻を始めたムー帝国の末裔たち、これを迎え撃つ万能の海底軍艦。
簡単に言えばこんな映画である。
この映画に登場するムー帝国人は要するに普通の人たちである。この人たちが地上に戻りたいと考え、かつ地上を支配したいと考えて、地上を攻撃し始める。
あまり今風の映画の発想ではない。
海底軍艦の原作が書かれたのは1900年ということだからやむをえないだろう。
21世紀の今では人類が人類に対して武力による支配を企むことは少なくとも映画でははやらない。
今時の映画なら敵は地下からではなく宇宙からやってくることになっている。

物語は人が車で誘拐されるところから始まる。
誘拐犯は被害者とともに車ごと海へ飛び込む。
誘拐された男は土木技師で、落盤対策が専門。
似たような事件が同時期に各地で発生している。
また、海軍の元将校だったらしい人物をムー大陸の工作員を名乗る人物が誘拐しようとする。
映画なので伏線が多くて登場人物が何者なのか理解するだけで大変である。
この時点では伊号第四〇三潜水艦という船の名前が印象に残る。
ちなみに伊号四〇二潜までは実在した。
この物語の中で重要な役目を持つこの船の艦長は神宮寺大佐である。

ムー大陸は一万八千年前に太平洋に没した大陸らしい。
ムー大陸の工作員を名乗る男が警察にフィルムを送りつけてきた。
その中に出てくるムー帝国の地下ドームに四〇三号潜が安置されていた。
この船がムー大陸の手に落ちたときには乗組員は誰も乗っていなかった。
工作員は艦長の神宮寺大佐が乗組員を指揮して、海底軍艦を開発しているという。
その開発を中止して、地上の人間はムー大陸の皇帝陛下に忠誠を誓えと言うのである。
事態をきちんと認識できていない世界は当然ながら、この要求をまともなものと考えなかった。
地上世界に対して、ムー帝国は世界の海運に打撃を与え始める。
いわゆる通商破壊であり、ドイツのUボートがやったのと同じようなものだ。
世界中の海軍はこれに対抗できなかったらしく、世界はムー帝国が開発停止を要求する海底軍艦に期待するようになる。
やむを得ないことだがムー帝国の戦略は稚拙なものである。
世界を支配できるかもしれない科学力を持っているのにわざわざ対抗できるかもしれない存在を世界に知らしめるのである。
この時点では不意打ちによって殆ど抵抗されずに世界を手に入れることができたはずである。
特にこの時点では海底軍艦は完成しておらず試運転も行っていなかったのである。
その上、神宮寺大佐はこの時点では海底軍艦は日本帝国再興のために使用することのみを考えていた。

この物語では神宮寺大佐は秘密裏に海底軍艦を開発しているがこれは現実には極めて難しい。
建造を行っている島はかなり大きいものであるらしく、映画には登場しないが原住民もいるらしい。
この物語では太平洋戦争が終わってからそんなに時間がたっていない。
太平洋の人が住めそうな島は米軍がすべて調べ上げたはずであり、無人島も調査したはずである。
また、海底軍艦のような大型の船を建造するには大量の資材が必要である。
ある程度の大きさを持つ島に、工場を造る。
例え地下に作るにしても資材と建設機械が必要である。
船の出入りが必要なはずで秘密を維持するのはとても不可能である。
軍艦であるから当然武器を必要とするが一から開発するわけにはいかないだろうし、必要な資金はどこから調達したのだろう。
登場人物たちも島が大きいことに驚いていたが小さな島で海底軍艦が開発できるはずがない。

などといいつつ、海底軍艦は試験航海にスタートする。
この後、地上世界とムーの戦闘が開始される。
気の毒で書く気がしないのだが緒戦で勝利を収めたムーはその後、登場する海底軍艦に歯が立たないのである。
もう少しマンダにはがんばって欲しかった。
しかたがない。
冷凍光線のような非常識な兵器には対抗できなかったのだろう。
最後に海底軍艦はムー帝国の動力室に侵入する。
しかし、上層部は我々より劣った民族が侵入できるはずがないといって、応援を派遣しなかった。
こうしてあえなくムー帝国は滅ぶ。
これで物語は終わる。

思うのである。
私が執政官であったならもう少しましなやり方で地上を征服したであろう。
もちろん支配を長く維持することは不可能だとは思う。
まぁ、100年、帝国が栄えることができれば上等というものだ。
ムー帝国が滅びた後、地上に平和が訪れたかというともちろんそんなことはたぶんない。
日本は無敵の兵器を所有したと解釈され、世界各国から海底軍艦の解体を要求されるだろうし、他の国はもちろん同じような兵器を開発しようとするだろう。
いずれにしろ、強力な武器など持つとろくなことにはならないのが人の世界である。

 

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2012年8月25日 (土)

ウルトラQ バルンガ

 エネルギーを直接食べて生きている不思議な宇宙生物のお話である。
お話はロケットが地球に帰還するところから始まる。
乗員の「もうすぐ地球だ」という言葉でこのロケットは月、もしくは他の惑星から帰還しようとしていることがわかる。
それにしてもこのロケットには乗員は一人しかいないようだし、帰還直前だというのに居眠りをしている。
信じがたいことだ。
その上、ロケットは逆噴射を開始した後に燃料がないという言葉と風船だという言葉を残して墜落してしまう。
この時点ではロケットに何がおきたのか誰にもわからない。

場面はロケットが墜落した海面上空を飛ぶセスナ機内の万城目淳と由利子にかわる。
二人の会話で墜落したのが土星ロケットだったことがわかる。
あの程度のロケットで土星まで行って帰ってこれるとはとても思えないがこの点は今回の話とは関係がない。
この後セスナも燃料不足に見舞われる。
二人は無事に帰り着き、淳は一平を燃料をどれだけ入れたのかとしかりつける。
気持ちはわかるが淳も機長であるからには燃料は確認したはずだ。
その後、セスナの中に風船がいるのを一平が見つけた。
万城目一行は車に風船を乗せて移動しているがどこへ行くつもりだったのだろう。
途中でガソリンが切れて動けなくなる。
この風船のような生物はは動力になりそうなものはなんでも食うのである。

この後のシーンで、新聞社のデスクが風船をバルンガと呼んでいる。
風船はバルーンだからつけられた名前だろう。

バルンガは東京中のエネルギーを吸収して巨大化し、東京を危機に陥れる。
自衛隊が航空機でバルンガを攻撃するがそのエネルギーも食われる。
ちなみにこのシーンは「ラドン」のフィルムを流用しているようだ。
続けて台風が来るがそのエネルギーも食われてしまう。
このシーンは「妖星ゴラス」のフィルムを流用している。
この時点でバルンガに対して日本政府は打つ手なしという状態に陥った。

この後、何の伏線もなく国連が核ミサイルを宇宙空間で爆発させてバルンガを東京上空から宇宙空間へと誘導する。
この場合には安全保障理事会は機敏だったということだろう。
バルンガは核エネルギーを食べた後、本来の食べ物に気がつき、太陽へ向かって去っていく。
「明日の朝、晴れていたら空を見上げてください。そこに輝いているのは太陽ではなくバルンガかもしれません。」というエンディングのナレーションはなかなかいいと思う。

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2012年7月25日 (水)

ウルトラQ 206便消滅す

 206便には万城目淳と一平が乗っていた。
香港から東京へ向かうこのジェット旅客機は日本初の超音速旅客機である。
速さを比較するものがないので超音速だといわれればそうですかというほかない。
順調に羽田に向かって飛行を続けていたこの旅客機は空中に突如現れた渦に飲み込まれる。
空港は突如、レーダーから機影が消えた旅客機の行方について騒ぎになる。
この様な場合、飛行機は墜落したか空中分解したと考えるのが普通だがウルトラQではそんな展開にはならない。
空から旅客機が飛ぶ音が聞こえる、しかしレーダーには写らないし肉眼でも見えない。
一の谷博士はこのような出来事は理解できないという。
旅客機はまるでドライアイスを使った煙で覆われたような場所に不時着している。
エンジンは停止しているようにしか見えないのに地上ではエンジン音が聞こえている。
誠に不思議なことだ。
旅客機には護送中の凶悪な犯罪者の男が乗っており、警官から拳銃を奪って旅客機を支配する。
その際に弾を2発発射した。
男は機長と淳、一平等を連れて旅客機から降り、歩く。
そこで第2次大戦中に遭難したと思われる飛行機の一群を目撃する。
淳は隙を見て、男と殴り合いをし、勝利する。男は助けてくれと叫びながらこの世界から退場する。このときに2発、発砲される。
この後、なんらの必然性もなく怪獣が現れる。
万城目淳は怪獣に向かって6発発砲する。
拳銃は警官が所持していたものであり、予備の弾丸もないのに合計10発の発砲は無理だと思う。
この怪獣は特に活躍することもなく旅客機はこの不思議な空間から脱出することに成功する。
ナレーターの石坂浩二氏は超音速旅客機で東京上空を通るときはいつこの不思議な空間に迷い込むことがあるかもしれないといっている。
そのときには安全ベルトを締めることを忘れないように。
最もこのような事件が頻発すれば世界中の航空会社は東京行きの便を設定しなくなるだろう。
以下では前半に「206便消滅す」、後半に「あけてくれ!」が収録されています。

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